

第33回 意味の分からない天引きするな! 高額な罰金取るな!
【Q】
クラブのホステスとして1年間働いて辞めました。時給はよかったけど、週1回の同伴強制日の同伴出勤のノルマがこなせなかったり、遅刻すると10分ごとに、日当分が罰金として引かれました。毎月の給料からは、使途不明な「福利厚生費」や「旅行積立金」が勝手に引かれるので、手取りは普通のアルバイトと大して変わらないくらい。辞めたいと言ったら、店のママは「ウチでは、辞める人には、最後の月の給料は払わない」と給料を払ってくれません。
【A】
労働基準法第91条では、「制裁規定の制限」について次のように定めています。
第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。
だから、ノルマがこなせないからといって、また10分の遅刻で日当分を罰金として引いたりするのは、明らかに法律違反です。もし、就業規則そのものが存在しないのに、勝手に高額の罰金についての決まりを作って、実際に給料から罰金を引いたら、「賃金の支払い」について定めた労働基準法第24条にも違反することになります。
労働基準法第24条には、賃金は、「通貨」で「直接」、「全額」を「毎月1回以上」「一定の期日を定めて」労働者に支払わなければならない、と定められています(賃金支払いの原則)。さらに、賃金から控除、つまり天引きをする場合は、事業所の過半数の労働者が加入する労働組合、労働組合がないときは選挙などで選ばれた過半数を代表する人と書面(協定書)を作成しなければならない、と定められています。
もちろん、天引きできるのは、「寮費」「社宅費」「食費の負担金」など、使い道や目的が明らかなものだけ。使途不明な天引きをすることは、会社が不当利得(根拠のない利益)を得ていたことにもなり、天引き分は持ち主に返さなければなりません。
水商売の場合、辞めるときに、最後の月の給料を払わない店がけっこうありますが、これも明らかな労働基準法第24条違反。不当な賃金不払いにあたります。
水商売の場合、法律違反のオンパレードなのに、業界では当たり前、というふうに、雇う側も働いている側も思ってしまっているところがあります。泣き寝入りしないで、まず相談してください。
(フリーター労組メールマガジン 2009年5月26日号より)